嘘つき!うそつき!やるやる星人よ
ある日のこと、ずっとずっと南の方の、
すっごく田舎もいいところ、いや、風光明媚でいいところだ。
題名 - 嘘つき!うそつき!やるやる星人よ
投稿
嘘つき!うそつき!やるやる星人よ!やるやる星へ帰れ!
嘘つき!うそつき!
やるやる星人よ!
やるやる星へ帰れ!
ある日のこと、ずっとずっと南の方の、すっごく田舎もいいところ、いや、風光明媚でいいところだ。
車で 行くしか方法がない、そんなところに、生のマグロを食べさせるという店がある。
その店の前の港には、4隻のマグロ船が停泊すると言うから、まっ、生っていう話もうなずけるところだ。
物置のような風貌の店の前には、御飯が炊けるのを待つ客が5~6人たむろしていた。
まだ昼の1時前だというのに、めし切れとは、前代未聞の客待たせだ。
今日は、せっかく来たけどありつけそうにない。
と、諦めていたその時に、たむろっていた客達が居なくなっていることに気がづいた。
じゃー私も、みんなと一緒に店に吸い込まれてみよう。
店内は、テーブル3つに椅子が20席ほど。
一瞬、すべて埋ってるかと見えたが、隅っこのカウンター席が空いている。
メニューは、マグロコロッケ定食、まぐろ刺身定食、ネギトロ定食、マグロカレー・・・。
でも私は、入る前から「マグロ丼」と決めている。
隣のカウンター2席も程無く埋まり、これで正真正銘に、満席となった。
目前の王将の駒の木彫りには、アクセントとして蝿取り蜘蛛が飾られてる。
極小蝿を追いかけて、360度回転を何度も何度も繰り返し、只今狩りに専念中のようである。
失敗ジャンプにつき画面から飛び出てきたらどうしよう、と少しドキドキ。
題名 - 嘘つき!うそつき!やるやる星人よ
投稿
入店時、店員がこちらに一瞥をくれたようだったが、5分経っても水が出てこない。
しかたない、面倒この上ないが、厨房にまで出張(でば)って、マグロ丼を注文する。
店員は3名ほど。
遅い訳だ。
注文を受けてからマグロを切ってる。
催促に応じた店員は、ようやく水を持って寄こした。
そこで初めて隣のカップルにも気付いたようで、ついでに注文を取った。
マグロ丼の「大」と「普通」、とカップル。
店員はペンでメモるが、繰り返しはしなかった。
一番奥のテーブル客が、ビールとつまみと、ようやく出てきたマグロ丼にありついたようだ。
隣のカップルの後ろのテーブルでは、サーファーらしき野郎2名と、家族客へと入れ替わる。
サーファーはビール2本と刺身定食2つ。
題名 - 嘘つき!うそつき!やるやる星人よ
投稿
家族客の、運転手らしきお父さんは、ビールとマグロ定食。
お母さんはマグロ丼に、子供はマグロコロッケ定食。
私の後ろのテーブルは、ビールにマグロ丼・・・かな?
そんなの、どうだか知らないが、いったいどれだけ待たせればいいんだ。
ゆうに15分は過ぎた。
なのに、何の音沙汰もない。
待つこと20分。
なんと、我らカウンター席を差し置いて、サーファー野郎に刺身定食が出てきた。
ま、ここで怒鳴ったら、みんなの飯がまずくなるか。
ひとまずは、ぐっとこらえた。
と、そのテーブルの家族の方にも、刺身定食とコロッケ定食が振る舞われだした。
店員は、きびすを返し、有ろうことか、隣のカップルに注文を再確認してる。