いざとなったらお金を無限に刷る!
そんな無茶をやっても、それでも国は潰れない。
何故でしょうか?
題名 - いざとなったらお金を無限に刷る!
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今は昔。
そんな無茶をやっても、それでも国は潰れない。
何故でしょうか?
って、その理由は簡単、簡単。
だって、国は、企業や個人と違って、いざとなったらお金を無限に刷ることが出来るじゃないですか。
国民から、好きなだけお金を巻き上げることが出来るじゃないですか。
と、なりますね。
マアこれは、例えますれば、自分の庭に「足の生えた財布」を飼って、自由に泳がせているようなものですか。
必要があらば、「足の生えた財布」をちょっと摘んで、ちょっと締め上げるだけ。そうするだけで、お金は欲しいだけ出て来ます。
おまけに、不思議なことに、この財布達は足が有るにも拘わらず、庭外へと逃げ出そうとはしません。
だから、後は、いつふんだくるかの算段をすればいいだけなのです。
大体はこの要領でいいのですが、希(まれ)に、“能ある”足の生えた財布有り。
能ある足の生えた財布は、表面上は平和そうに見える庭の真実を見事に見破り、国外へと逃亡を謀(はか)ります。
消費者金融大手の武富士、武井保雄前会長夫妻から、オランダ法人株を贈与された武井俊樹さんは、2005年3月3日、東京国税局の税務調査を受け、約1,600億円の申告漏れを指摘されました。
国税局は無申告加算税を含め1,300億円超を追徴課税し、これは、個人の申告漏れとしては過去最高額となりました。
そもそも、税金の課税方式には、属人主義と属地主義というのが有り、属人主義というのは、居住地に関わらず国籍保有者から税金を徴収する方法で、属地主義というのは、国籍に関わらず居住者から税金を徴収する方法です。
属人主義の国にはアメリカが有り、荒っぽく言ってしまえば、「アメリカ人はどこの国に住んでいようとも、アメリカに税金を払う必要が有る」となり
ます。
対して、日本は属地主義の国、日本に居住しない限りは、そして、日本で得た収入でない限りは、納税の義務は発生しません。
そこで、当時香港に住んでいた武井俊樹さんは、日本の贈与税は適用されないだろうと考え、申告しなかった訳。
だって、だって、日本に住んでいなかったのですよ。
でも、日本によく帰っていたとの理屈から、日本に居住していたと見なされて、日本に於いて課税された訳です。
「どちらの国で一年の大半を過ごしたか」などという微妙な判断ではありますが、マア何れにせよ、所得税最高税率15%ほどという香港には、「能あ
る足のある財布達」が世界中から集まって来るのです。
それは、個人に止まらず、ペーパーカンパニーなどという、形だけの会社なども誘(いざな)います。
因(ちな)みに、香港のように、法人税を安くしてまでも外貨を稼ぎたいというような地域(国)をタックス・ヘイブン(tax
haven=税の避難所)と、ケイマン諸島などの沖合いにある島を、文字通りオフショア(沖の)と申し
まして、って、聞いたことが有る様で無い様な、ちょっとカッコいい感じ。
いや実際、香港証券取引所に上場している会社の登記地を見てみると、バミ
ューダ、ケイマン、香港、バミューダ、ケイマン、バミューダ、ケイマン、バミューダ、ケイマン、香港・・・と永遠に続きます。
2005年の対中国直接投資額なんかを見てみると、1位・・・香港、2位・・・○○○、3位・・・日本、4位・・・韓国、5位・・・米国、6位・・・台湾・・・
○○○・・・!?
「何よそれ、2位の○○○って何処よ」とお思いでしょう。でも、考えても無駄です。絶対に思い浮かびませんから。
答えは、タックス・ヘイブンの英領バージン諸島。
英領バージン諸島!?
そう、英領バージン諸島です。
・・・
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そんな香港に、「アメリカ当局と喧嘩してまでも顧客の秘密は守る」と言われる猛者(もさ)、スイスの銀行が、お金を求めて集まっているのです。
スイス本国で、資金洗浄(=マネーロンダリング=money
laundering=不法から合法へ)されたとする、約53億円という大金も香港にあるスイスの銀行経由だったりします。
2005年2月の東京地裁に於いて、指定暴力団山口組系五菱会の元幹部が、懲役7年という判決を言い渡されました。
ヤミ金融事件での約53億円といわれる莫大な不法収益を、スイスなどで資金洗浄したとして、組織犯罪処罰法違反と出資法違反の罪に問われたのです。
そういや、2006年1月23日に、堀江貴文前社長が、証券取引法違反容疑で逮捕されたライブドアも、株式売却益をタックス・ヘイブンに登記している会社を使って洗浄し、資金の流れを複雑にして分からなくし、グループ本体へ環流させたんだって。
???
あっ、そうか、「能ある足のある財布達」は国外へ出て、うんぬんと申しましたが、国外って、税金の安い香港や、口の堅いスイスのことだったんですね。
「能ある足のある財布」と申しましたが、「能ある足のある財布」って、相続税を逃れたい人や節税したい人、そして、指定暴力団員や「地に堕ちた時代の寵児」のことだったんですね。
それじゃー、“能ある”っていう綺麗な言い方は似合わないんじゃないの。「足のある悪党財布」っていうのに変えようっかなー。
って、「たかだか節税しただけで、悪党呼ばわりするんじゃない、脱税行為自体、犯罪としない国も有るんだ、どうってことないじゃないか」って怒られそうですね。
結局は、「金を払えばいいんでしょ」って、開き直りゃー、罪も無いってか。
でも、それもそうかもしれませんね。
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要するに、「1,600億円、申告漏れしたぐらいでガタガタ言うな」って言うことなんですよね。
「みんな、やってるじゃないか」って言うことなんですよね。
「世界中のタックス・ヘイブンや、スイスの銀行の賑(にぎ)わい振りを見てみろ」って言うことなんですよね。
ホント、失礼しました。
オランダに有る株式を香港へ移すなんて芸当は、我々素人には真似できそうにもありませんが、日本国内から香港へお金を持ち出すことぐらいは出来そうですよ。
外為法では、我々が海外旅行をする時、「一度に100万円以上の現金や割引金融債を国外へ持ち出すな」となっているようですが、要は税関へ届け出さえすればいいのでしょ。
持ち出すんじゃなくて、海外へ3千万円を超えて送金する場合も、「手続きをした銀行に報告せよ」となっていますので、報告さえすればいいのでしょ。
もちろん、後ろめたい53億円もの大金ともなれば、届け出や報告なんてことは到底できませんけどね。
でも逆に、これさえ守れば、「幾ら持ち出して頂いても結構」、「誰も何の文句も言いません」っていうことなのでしょ。
何の文句も無いって、ただしこれは、お金が香港に有ろうがスイスに有ろうが、日本に居住する人の日本で得た収入ならば、日本に於ける税制で課税されるのは、されるのですよ、念のため。
これを満たした上で、“能あり”とか“能なし”とかの話なのです。
そこんとこ、よろしく。