お金を求めた歴史
画一的とは、個別の事情は考慮せず、規格どおりに、すべてを一様にすること、同じ水準の理解力と会社への忠誠心さえあれば、個性や突出した能力などは必要ではなかったのです。
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戦後、日本は欧米の豊かな生活に近づこうとしました。 そこで、まず最初に掲げたのが、みんなを均衡に豊かにすることです。
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みんな貧しい |
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みんな豊か |
みんなを豊かにするためには、お金を配る母体である会社を豊かにしなければなりません。
その豊かにしようとしている会社に於いては、工業製品を生産ラインに乗せて組み立てます。
そして、そのラインに沿っては、組立作業を同じレベルでこなすことができる人間を並べる必要があって、そのために、画一的な教育を受けた人材を育成する必要があったのです。
画一的とは、個別の事情は考慮せず、規格どおりに、すべてを一様にすること、です。
同じ水準の理解力と会社への忠誠心さえあれば、個性や突出した能力などは必要ではありません。
会社への忠誠を誓わせ、均衡の取れた安定した生活を保障するためには、終身雇用制度や年功序列賃金制を採用します。
こうすれば、ひとつの会社に忠誠を誓ってさえいれば、死ぬまで安定した生活給が貰えるのです。
加えて、会社に直接的には関係のない家族にも手当てを出したり、老後のことも考えて退職金を出したりします。
均衡とは、複数のものの間に釣合がとれているということ、です。
年齢が上がる程お金も上がり、決まったことをやりさえすればそれ以上はやってもやららなくても変らない賃金。
会社に貢献したり、会社に儲けさせたりという能力の差によるお金ではなくて、生活をするためのお金。
これが、戦後日本が採って来た均衡という名の正体です。
そして、早く大量に画一的な人材を育成するためには、小学校から大学までを生産ライン化する必要があり、また、知識を詰め込むだけの規格教育を忠実に実行する教師も、生産ラインに沿って並べる必要があったのです。
考え、創造させる代わりに、決まった分量の知識を詰め込むだけの学校工場にも、このようにして効率的な組み立てラインは作られたのでした。
ところが、思惑どおりに運んでいたかのように見えていた日本でしたが、今や、技術はアジア諸国にキャッチアップされ、事情が違ってきたようです。
低賃金で作られた外国製品が国内に大量に流通し、それは猛烈な価格競争を引き起こし、物の値段が下がり続けるデフレ経済を演出しています。
同じようなものであるなら、安い方が売れるのが必定(ひつじょう)です。
安さの決め手は、賃金が安いかどうか、そして、その安い賃金でどれだけの数の人間が働くことができるかということです。
中国には世界の4分の1近くに当たる13億の人口と、日本の20分の1の賃金で懸命に働く優秀な労働力があります。
インドネシアには2億の人口、そして、賃金に至っては、日本の100分の1などと言われる安さ。
このような数字は移ろい行くもので、別に覚える必要もないものですが、因みに、2000年時点の生産労働者時給の比較である、米労働省による2000年国際賃金指数調査によると、米国の賃金を100とした場合、日本は111、韓国41、シンガポール37、台湾が30、香港が28となってます。
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