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怒りのエネルギー

時には、瞬間湯沸かし器のように、または、時間を掛けてふつふつと沸き起こるマグマのように、怒りのエネルギーは爆発間際で暴走寸前なのであります。

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社会人になって暫らく経ってみると、あいつが学校の先生をやっているのか、とか、あの人が我が社の部長か、専務か、社長か等と、あれ程遠く感じられていた存在達が、大したものではないように感じられて来ます。

それは、世の中の仕組みとやらが、透けて見えて来たからでしょう。

自分と何ら違うところが無く、むしろ自分の方が優っているんじゃないかと思える場合でも、自分より上の地位に就いていたりするのですから。

彼らは、権威が有り、先見性が有り、経営能力が有り、人徳が有り、常識が有り、理念とか信念が有り、勇気と熱意が有り、方針と目標が有り、ずば抜けた発想力が有ると信じ、尊敬し、畏怖もし、敬遠もして来たのですが。





今や、そんな権威的なものには疑念だらけ。

人徳が有り常識が有るだなんて、とんでもない。

世の中の理不尽、不条理、不合理が、彼らを今の地位へと押し上げているだけじゃないか。

時には、瞬間湯沸かし器のように、または、時間を掛けてふつふつと沸き起こるマグマのように、怒りは爆発間際で、暴走寸前なのであります。





世の中には、様々な理不尽なこと、不条理なこと、不合理なことが存在します。

人間を登用する時には、人間を判断する基準が存在しないこと。

ある人間が優秀かどうかの判断は、モノサシを持たない人間の匙(さじ)加減次第であること。

この事実は、それだけで自然と我々に怒りを込み上げさせます。

しかし、理不尽や不条理、不合理に遭遇した場合に、受け取る側の考え方によっては、怒りのエネルギーが発生するかしないかが違って来ます。





「貴方だったら、何処でも通用する。」

打たれ強くて柔軟性が有り、どのような環境だろうと適応出来てしまえる人。

例えどのような仕事を与えられようとも、例えどのような上司、同僚、部下を与えられようとも、そつ無くこなす人。

このような人、貴方の会社にも何人か居るのではないでしょうか。

と申しますか、サラリーマンであれば、多かれ少なかれ、このような人間には違いないのですが。





「明日から○○支店へ行け」と言われれば、言われるままに赴任し、そして、今まで通り仕事をする。

「明日から○○の仕事をしろ」と言われれば、言われるままにその仕事をする。

「明日からこの人達と仕事をしろ」と言われれば、言われるままにその人達と仕事をする。

サラリーマンとは、どのような無理難題、不条理、不合理を言われても、それらに耐え忍んで仕事をする人種。

耐えることを納得した上で、サラリーマンという職業を選択しているのだから、当然と言えば当然ですが。





本能を剥き出しにして生理的に振る舞えば、「嫌いなものは嫌い」で突っぱねても良いようなものですが、人間とは社会性を帯びて来ると、世の中には色々な人が存在することを理解するようになり、そうなれば、個人的好き嫌いを引っ込めて、りっぱな社会人、一人前の社会人と言われるような、立ち振る舞いをするようになって来ます。

嫌いなものには何も感じなくなり、生理的に受け入れられないものでも、受け入れられるようになって来るのです。





サラリーマンのサラリーマンたる所以は、どのようなことがあってもサラリーマンで居続けられること。

サラリーマンに限らず、誰もが変化出来ない理由は、其処ら辺に有るというものです。

どうしても、現状を変えたいのであれば、何処かでいわゆる「りっぱな大人」というものを辞める必要が出て来そうです。





「りっぱな大人を辞めるには、どうすれば良いか?」

理不尽や不条理、不合理、雑音や邪魔に対する不感症が、サラリーマンを辞められない原因だから、何かを感じられるようになれば良いのでは、と分かります。

例えば、「もうこんなのは嫌だ。理不尽や不条理、不合理、雑音や邪魔が無い所へ行ってしまいたい。」
と。





素直になって、単純に考えれば、「理不尽や不条理、不合理、雑音や邪魔をする人が居ない所へ自分の身を置けば良い」のは分かります。

理不尽や不条理、不合理、雑音や邪魔が、完全に排除出来る訳ではないと思いますが、これらが届かない程のスピードで、突っ走ってしまえば良いのでしょう。





分かり易く言ってしまえば、会社を辞めれば、会社にまつわる理不尽や不条理、不合理、雑音や邪魔は無くなります。

イメージとして捉え易く言えば、アメリカのメジャーリーグへ行ったイチローや松井秀樹には、日本からの理不尽や不条理、不合理、雑音や邪魔は届いていないのです。

「いや、多少は届くだろう」と言われる方もいらっしゃるかもしれませんが、自分の身の置き所を変えるとは、どのようなイメージなのかを、掴み取ることが出来る例えではないでしょうか。





と申し上げましたが、別に、イチローや松井秀樹が、現状を嫌ってアメリカへ行ったとは申しません。

恐らく、ただ、自分の遣りたいことを実現したいという熱意が大きかったがために、結果、自分の身の置き所を変えることになっただけなのでしょう。

では、遣りたいことを実現したいという熱意がまったく無い我々は、どのようにすれば良いのでしょうか。





熱意に欠け、現状を良しとするから、変化が出来ないのですから、熱意を持つか、それとも、現状を嫌えば良い。

と申しますか、熱意を持つことが困難である我々にとっては、現状を嫌う方法しか残されていないのです。

と言うことは、理不尽や不条理、不合理、雑音や邪魔の渦巻く現状を嫌う怒りのエネルギーを、現状から抜け出すベクトルへと変換してやれば良いことが分かります。



「今の会社を辞めたいか、辞めたくないか。」

それにはまず、これを決めなければ、我ら凡人は、永久に現状から抜け出せない。

会社で嫌なことが有れば、遠慮せずに怒り、そのエネルギーを会社を辞められる別の方向へと投入するのです。

ダブルワークに取り組んでいるのなら、嫌な方からもう一方へ怒りのエネルギーを投入し、もし転職先を探しているのなら、そちらの方へ、独立しようとしているのなら、そちらの方へ、と言ったようにです。





ただ、ご注意頂きたいのは、これは正攻法ではないということ。

目的意識をしっかりと持ち、それを実現したいという決意と勇気と熱意によって、現状を突破するエネルギーとすること。

イチローや松井秀樹が遣っているように、これが正攻法と言えましょう。

遣りたいことが明確に有り、それをなし遂げたいと思う熱意が、突破のエネルギー。

それの裏側には、「こんな会社に居られるか」などの怒りのエネルギーが同居しているのです。

表が決まれば、自然と裏側が決まって来るのです。

ただ、ちゃんとした目的が有り、熱意も有る人は、裏側のエネルギーの力を必要としませんが。





未来の自分と、現在の自分との乖離が激しい程、突破のエネルギーは大きくなりますし、怒りのエネルギーも拡大します。

しかし、将来、自分はどう在りたいかを描き切れていない人にとっては、突破のエネルギーは発生致しません。 

そういう人が、怒りのエネルギーだけに身を任せて、身の置き場所を変えるようになれば、結果は、「仕事は辞めたけれど、遣ることが何もない」などの不幸な事態を、引き起こすことになるのです。

遣りたいことを見付け出すこと等に、怒りのエネルギーを上手(うま)くご活用頂ければ、大変宜しいのですが。

 

 


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