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いじめ克服法？いじめを克服する方法？いじめ克服死闘編？
いじめ克服
いじめられて初めて分かる、いじめの苦しさが。
そしていじめられて初めて考えるいじめの克服法を。
いじめっ子はいじめ克服法なんてことは考えない。
考える必要がないからだ。
弱い者をいじめて楽しんでればいいのだから、いじめ克服なんてとんでもない話なのである。
だから、いじめ克服は、いじめられる側が編み出すしかないのだ。
しぬ前にこれだけは読んで欲しい。
そして何を置いてもこれだけは伝えたい。
要するに、あなたがしぬことなんて、これっぽっちも無いってことを。
いじめ克服は、決して「し」じゃない。
決して、しぬことでいじめが克服されるわけじゃない。
私は自分の身を、中学２年生に置いてみることにした。
その頃は、世間と言えば学校をあらわし、社会と言えば何やら遠くに存在するアンドロメダ星雲のようなもの。
果たして、実体が本当に有るのか無いのかも判然としない、掴み所のないものをあらわし、いじめ克服はこれに対して行われた。
自然、そこは底知れぬ恐怖の世界と映る。
そう、学生の身にとれば、そうなのだ。
まるで「真っ黒けっけ」とは、そこまではっきりとはしないけれど、でも、視覚ではどうも判然としかねる、微妙な色の夢の中。
まったくもってよく分からない。
そんな世界を、いったい誰が操ってるというのだろう。
だから、私は、大人なんかになりたくなかったのだ。
危険なニオイがプンプンとする、そんな社会には絶対に出たくはなかったのだ。
普通の人間の感覚なら、そんな社会を目の前にして尻ごみし、ずっと学生のままで居たいと思うのが普通。
むりやり大人の服を着せられて、ところてんのように社会に押し出されるのだけは、ご免被りたいのであった。
「あんた妄想のし過ぎだよ」かもしれないけど、私は営業の仕事なんか絶対にしたくなかったのである。
毎日、毎日、これだけ必死になって勉強してきたのに、そこそこどまりの成績の私は、きっと、そこそこどまりの大学へ行って、そこそこどまりの会社へ行くのである。
とどのつまりは、嫌で嫌で堪らない営業の仕事に回されて、額を地べたに擦り付け土下座をするのだ。
実際に、営業をしている人には悪いと思うけど、人に頭を下げるのだけは絶対に嫌だ。
ごめんね、こんなこと言ったりして。
でもね、私は世間知らずの学生らしく、他人への配慮なんかはまったくもってできないんだ。
社会というものの存在があまりにも大き過ぎて、把握しきれない私の頭は、そこでの生活を具体的にイメージできずに、他人への思いやりや、またそのような精神的な余裕も度量をも持つことができずに、営業が人生の敗者かどうなのかも知らないままに、またそういう範疇でくくっていいのかどうなのかも分からないままに、敗者になんかに分類してしまったのだ。
要するに、私は、我が身のことしか考えられず、他人なんかを思いやることはできやしない。
だって、私は敗者なんだ。
我らと社会との接点らしい接点と言えば、学校の先生と親だろうか。
我らは彼らを通して、社会とは何たるかを何となくだが測ったりもできた。
でも、インターネットの世となりて、社会はパソコンの向こう側に存在するんだって分かったりもした。
何やら、残酷そうできびしそう。
何も知らない無防備な子供は、決して一人では入ってはいけない、怪奇、極まりない宇宙。
誤って迷い込んだりなんかしたら、即刻いたぶりころされる、そんな冷酷な世界。
こんなところでいじめの克服なのである。
いや、やはり把握しきれない。
子供の理解の外にあるのだろう、社会とは、きっと。
それとは逆に、パチパチと叩けば、社会への参加がいとも簡単にできてしまうのも、インターネット世代の我らの幸運でもあったりする。
ひとむかし前なら、いじめに遭ったりなんかしたら、いじめの克服方法は社会への入口である教師や親に相談するしかなかったものだ。
でも、今は違う。
こんなのだから、しぜん、いじめ克服も変わらざるを得ない。
現在は、見せ掛けの建前を高々とかざしておきながら、我らの意見を平然と黙殺してきた社会への関所を中抜きできる。
そう、我らは直接、社会との接点を持ててしまえるのである。
直接、社会と会話ができてしまえる。
いきなり、社会の一員として振る舞えてしまえるのだ。
だから、頼らざるを得なかった狭い選択肢のウソも暴露できてしまえる。
教師がいじめ克服に役に立つなんてことはないわけで。
いじめ克服法が教師から生まれるなんてこともないわけで。
そもそも、いじめられた者が教師になるかって。
いや、ノーだろう。
学生時代を何不自由なく生き延びた教師になんて弱者の気持ちが分かるわけがない。
いじめを受けた者は教師にいじめ克服ができるかなんて理想は抱かない。
いじめを受けた者にとっては、学校は２度とかかわりあいたくないところ。
学校に近寄らないこと。
これがいじめ克服につながり、傷ついた心を癒してくれる方法なのだ。
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